Abstract
2009年に日本消化器病学会より胃食道逆流症 (gastroesophageal reflux disease: GERD) 診療ガイドラインが発刊された. その後, 国内外からの多くの論文が報告され, GERD 診療に関する多くの進歩, 変化がみられた. 特に GERD 治療の第一選択薬であるプロトンポンプ阻害薬 (PPI) 抵抗性 GERD の病態, Barrett 食道に関する研究が多数報告され, これらの2012年6月までの文献エビデンスに基づく改定版が2015年10月に発刊された. 今回の改訂では, 新しくガイドライン作成の標準となりつつある GRADE system を用いて作成が行われている. 今回の改定の主な内容としては, 近年増加してきている PPI 抵抗性 GERD の定義 (標準量の PPI を8週間内服しても ① 食道粘膜傷害が治癒しない and/or ② 胃食道逆流症由来と考えられる症状が十分に改善しない状態) が示された. PPI 抵抗性 GERD に対する治療戦略としては PPI の変更, 消化管運動機能改善薬, 漢方薬, H2RA の追加投与が提案 (推奨度: 2, エビデンスレベル: C) され, また PPI 倍量分割投与が推奨 (推奨度: 1, エビデンスレベル: A) されている. GERD の長期治療戦略も変更され, 重症びらん性 GERD では症状の有無にかかわらず積極的な継続した維持療法が推奨 (推奨度: 1, エビデンスレベル: B) されているのに対して, 軽症びらん性 GERD および非びらん性 GERD では on demand 療法または継続的な維持療法が提案 (推奨度: 2, エビデンスレベル: B) されている. Barrett 食道に関しては, 国内外で定義が異なること, Barrett 食道の発症因子としては, 逆流性食道炎が重要であり, 酸逆流や胆汁逆流が関連している可能性が示されている. また懸念されている Barrett 食道からの発癌に関しては, 本邦からのエビデンスレベルの高い報告はなく, 正確な発癌頻度は不明であるが, 欧米と比較すると本邦の食道腺癌の増加は際立ったものでないことが報告されている.
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